みなさんこんにちは。
本日3月7日は、「サウナの日」だそうで、各地でイベントが行われています。最近は第三次サウナブームという事で、サウナを楽しむ方が非常に増えているとか。弊社も温浴施設のお客様を多く抱えており、嬉しく思っております。
という訳で、本日はサウナのお話を少々。
そもそも日本のサウナの発祥は、メルボルンオリンピックに出場した許斐選手がその際にサウナを知り、1957年に自ら「東京温泉」という娯楽施設を作ってその中にサウナを設けた事だと言われています。
その後、1964年の東京オリンピックで、選手村にサウナ施設が作られ、サウナ発祥の国フィンランド大使館の協力もあり、一気に注目を集め、第一次サウナブームとなりました。その後、一時期サウナ人気は縮小しましたが、90年代のスーパー銭湯ブームで再び第二次ブームとして復活。景気後退もあり再び停滞するも、昨今は芸能人やユーチューバーなどの著名人がよくネタにし、「ととのう」というパワーワードを生み出し、現在に至ります。
老若男女が楽しんでいる、すっかり定着したサウナ。健康に良いと言われ、日本人の多くが楽しむ存在となりました。
しかし、これはあくまでも筆者の個人的な意見ではありますが、日本のサウナ、特に「ととのう」については十分ご注意して下さい。
そもそもフィンランドのサウナは、温度が70~80℃、湿度は30%程度あります。このサウナにのんびり入り、出た後も水風呂等には入らず、ゆっくりとクールダウンします。俗に「サウナは健康に良い」という論文は、この低温のサウナによるものです。
翻って、日本の場合。東京オリンピックの際に大量に作られたサウナ施設は、客の回転率向上のために温度を上げ、更に冷却用に水風呂を作るという、独特な方向へ進みました。冷たい水に入るなら温度は高い方が良いと、90℃、100℃とどんどん熱くなり、最近では温度自慢をするかのように120℃等の超高温のサウナもあります。逆に湿度は火傷を避け、汗をかいている実感が高くなるように、10%程度と低くなりました。
また、サウナストーンに水を掛けるロウリュも、フィンランドではただの水をかけ立ち込める湯気で湿度を高め汗を流すモノですが、日本ではアロマオイルを使い、スタッフが熱風を仰ぐというパフォーマンスに変わっています。
このような超高温状態から、水風呂という低温状態への移行を繰り返すのは、心身へ非常に負担をかけます。血管が膨張と収縮を繰り返し、血圧が乱高下します。また交感神経と副交感神経の両方が強い刺激を受けます。「ととのう」状態は、極度の負担によって脳内麻薬が生成された、所謂「ランナーズハイ」のようなものだ、という医学者の意見もあります。日本式の高温サウナや、「ととのう」事を否定するつもりはありませんが、どうか、ご自身の体調を考えた上で、負担のないようにサウナを楽しんでいただければと思います。
最後に。
日本にあるフィンランド大使館は、「サウナイルタ」という招待制イベントを主催しています。これに参加しサウナに入ると「80℃の温度に耐えた」と表彰されます……本場の人達がどのようなサウナを楽しんでいるのか分かるエピソードだと思うのですがいかがでしょうか。
なお、日本サウナ・スパ協会のHPはこちらです。