我々日本人は、お風呂好きと言われています。身体を洗うだけでなく、湯を張ったバスタブに長時間全身で浸かるというのは、世界的にも珍しい風習です。
例えば欧米では、バスタブで湯に浸かるのは月に一度もないという人が多く、シャワーだけで済ませる人が大多数です。そもそも日本で言う「洗い湯」が無い為、バスタブはお湯を貯める目的よりも、身体を洗ってシャワーで流す場所という認識の人が大多数です。また、親子で入浴するという事もなく、まして大きな浴槽で、同じお湯の中に他人と一緒に浸かるという風習は、かなり奇異に思われる事があります。
これらは各国の成り立ち、地形や自然的な理由などが根底にあるわけですが、そんなお風呂好きの日本人でも特に心を揺さぶられるのが、「温泉」という言葉ではないでしょうか。火山大国である日本には、古今東西様々な温泉があり、毎年多くの観光客で賑わっています。昨今では、外国人観光客も多く訪れ、日本独特の温泉文化を愉しんで頂いています。
実は、日本ではこの温泉とな何かを定めた法律が存在しています。それが昭和23年に制定された「温泉法」という法律で、その中で『地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上、または、以下の表の物質を一種類以上有するもの』と定義されています。
物質名 | 含有量(1kg中) |
---|---|
溶存物質(ガス性のものを除く) | 総量1,000㎎以上 |
遊離炭酸(CO2) | 250㎎以上 |
リチウムイオン(Li+) | 1㎎以上 |
ストロンチウムイオン(Sr2+) | 10㎎以上 |
バリウムイオン(Ba2+) | 5㎎以上 |
フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+) | 10㎎以上 |
第一マンガンイオン(Mn2+) | 10㎎以上 |
水素イオン(H+) | 1㎎以上 |
臭素イオン(Br–) | 5㎎以上 |
沃素イオン(I–) | 1㎎以上 |
ふっ素イオン(F–) | 2㎎以上 |
ヒドロひ酸イオン(HAsO42-) | 1.3㎎以上 |
メタ亜ひ酸(HAsO2) | 1㎎以上 |
総硫黄(S)〔HS–+S2O32-+H2Sに対応するもの〕 | 1㎎以上 |
メタほう酸(HBO2) | 5㎎以上 |
メタけい酸(H2SiO3) | 50㎎以上 |
重炭酸そうだ(NaHCO3) | 340㎎以上 |
ラドン(Rn) | 20(百億分の1キュリー単位)以上 |
ラジウム塩(Raとして) | 1億分の1㎎以上 |
この条件を満たしていない場合、「温泉」を名乗る事は出来ません。これが温泉の定義です。
ただの純水であっても水温が摂氏25度されば温泉の定義を満たしますが、ほとんどの温泉ではその土地ごとの各種様々な成分を含んでおり、多くの人々の癒しとなっています。
温泉地では旧泉質表示(11種類)が一般的です。ここでは、旧分類について説明します。
陽イオンにナトリウムを含みます。
陽イオンにカルシウムを含みます。
陽イオンにマグネシウムを含み、日本では数少なく「脳卒中の湯」とも呼ばれています。
陰イオンとしてヒドロ炭酸イオンを含有し、結合すると重炭酸第一鉄を構成するもの。
陰イオンとして硫酸イオンを含有し、結合すると硫酸鉄を構成するもので、強酸性が多い。
遊離の炭酸ガスや硫化水素を含まないもので、泉水1kg中に固形成分1gに満たないもの。
遊離の硫化水素を含有し、ほとんど常に炭酸ガスを含み、泉水1kg中に固形成分1gに満たないもの。
山西サク井設備では、豊富な経験と蓄積されたデータ、そして最新の地質情報を元に、計画地に存在する帯水層の有無、その深度、おおよその泉質を予想し、的確な工法でその温泉をお客様にお届けします。
PAGE TOP